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これからの関西 関西経済、税、納税協会の未来

2019.01.10

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大阪国税局長
榎本直樹
公益財団法人納税協会連合会会長
尾崎 裕

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【司会】
公益財団法人納税協会連合会
常任副会長
新木 敏克

(敬称略)

1 関西経済の展望
新木

 今日は、新春の対談ということですので、関西経済、税、そして、これからの納税協会について、ざっくばらんにお話しいただければと思います。

 さて、我が国経済は、未曽有の災害、米国の自国第一主義政策、米中貿易摩擦の激化、英国のEU離脱問題などの不安定要因が多く厳しい状況が続いていますが、公共投資や人手不足が続く中での省力化投資の増加などを背景に、景気回復基調にあります。関西経済も同様に、設備投資の増加などを受けて、緩やかな景気回復傾向にあるようです。

 まずは尾崎会長、このような関西経済の現状と今後の展望について、どのようにお考えでしょうか。

尾崎 日本そして関西の景気・経済は、世界経済の回復を背景に、これまで緩やかな拡大を続けてきました。昨年の相次ぐ自然災害による経済活動の休止や、米中貿易摩擦などによる景気の先行き不透明感などから、足もと、一時的な足踏み状態にありましたが、堅調な企業収益のもと、人手不足を背景とした省力化投資や更新需要のため、企業の設備投資も増加基調にあり、個人消費にも持ち直しの動きが見られるため、今年も引き続き、景気の拡大が続くとみております。

 また、関西経済をけん引してきたインバウンド需要について、訪日外客数は昨年も堅調に推移しました。大阪の街の「人情があり、雑然としている雰囲気」が、実は中国や韓国、東南アジアから訪れる観光客にとって魅力であることを改めて認識した次第です。一方で、相次いだ自然災害では、関西の玄関口である関西国際空港の閉鎖など、一時的ではあったものの、外国人観光客に大きく影響が出ました。今後、安心して日本を訪れてもらえるよう、災害時に、訪日外国人に正確な情報をタイムリーに伝える仕組みの整備が不可欠であり、また、風評被害を防ぐためにも、被災地の観光情報を内外に迅速に発信することが必要です。

 今年は、関西において、G20大阪サミット、ラグビーワールドカップと国際的なイベントが続きます。こうしたメガイベントの開催を契機に、関西経済が持続的に成長するためにも、観光資源のみならず、当地の強みを生かした新たなビジネスや、次世代ものづくり・サービスの創出が求められています。関西には、数多くの大学・研究機関・企業が集結しており、幅広い分野で様々なイノベーションを生み出してきた土壌があります。今年は大阪・関西から日本経済を盛り上げる年になると期待しています。
新木 榎本局長は、関西経済について、どのようにご覧になっていますか。
榎本

関西経済の状況については、足もとの経済指標は好転の動きを示しており、回復基調を維持していくものと感じております。

 まず、近畿財務局が発表しております、平成30年10月の管内経済情勢報告において「緩やかに拡大しつつある」とされております。

 次に、近畿2府4県の国税収納済額をみてみますと、平成29年度は約9・4兆円で前年度と比べ、約3189億円(前年比+3・5%)増加し、6年連続の増加となっており、税収面からも関西経済が回復基調にあることがうかがえるのではないかと思います。

 また、昨年秋に国土交通省から2018年の基準地価が発表されており、商業地では、京都府の上昇率が2017年の5・7%を大きく上回る7・5%となり、都道府県別の上昇率では、2年連続の首位となっています。住宅地では、大阪府の上昇率が0・2%と10年ぶりに上昇に転じていることなどからも、関西経済の回復ぶりを反映した結果になっていると感じております。

 このほか、関西に関連した明るい話題としまして、昨年、免疫を抑制するタンパク質を発見する等の功績が評価され、京都大学の本庶特別教授が、ノーベル医学生理学賞を受賞されたというニュースがありました。

 関西に地盤を置く大学・研究機関と企業が共同で研究・開発を行ったとのことでありますが、ここ関西では、ノーベル賞の受賞者を多く輩出しており、医学・生命科学分野において、最先端の研究に取り組んでいる大学・研究機関や高い技術力を持った企業も集積しております。

 このような産官学が一体となった取組によって、関西経済が盛り上がり、更には、日本経済が活性化していくことを期待しております。

2 社会経済情勢の変化と税務行政の対応
新木

ありがとうございます。次に税務行政について、局長にお伺いいたします。我が国の経済社会の状況は、経済のグローバル化、情報技術の発展、人口減少や少子高齢化、地域格差の拡大などの大きな構造変化の中にあります。

 このような状況の中において、変化する社会経済情勢への対応を常に求められる税の執行官庁として、どのような施策・取組をされておられるのでしょうか。

榎本

近年、経済取引のグローバル化、ICT・AIの著しい進展等により税務行政を取り巻く環境は大きく変化しております。

 このような環境の変化に対応するため、国税庁では、様々な取組を行っております。

 国際課税への取組として、情報収集・活用の強化、国際課税に関する調査を専門的に行う部署の整備・拡充、外国当局との連携の強化といった取組に力を入れております。特に、情報収集・活用の強化については、平成30年9月から、「OECDで策定された共通報告基準(CRS)による非居住者の金融口座情報の自動的交換」制度の運用も始まっており、グローバルネットワーク等を活用し、適正・公平な課税の実現に取り組んでおります。

 また、中長期的に目指すべき将来像を取りまとめた「税務行政の将来像」では、「納税者の利便性向上」と「課税・徴収の効率化」を柱に、ICTやマイナンバーなどの活用によるデジタル化の推進及び各種内部事務等の集中処理の推進に取り組むこととしております。

 さて、間もなく、平成30年分の確定申告の時期を迎えます。

 昨年は、大阪府北部地震、7月の豪雨及び台風21号・台風24号など大きな自然災害が発生しました。

 これらの災害により被害を受けられました皆様方には、心からお見舞いを申し上げます。

 私どもとしましては、被害を受けられました皆様方に対する相談に当たって、個々の状況や心情に十分配意した的確な対応を行うこととしております。

 次に、ICTの活用という観点から申し上げますと、国税庁では、e─Taxなど利便性の高い申告・納付手段の充実に取り組んでおります。

 その一つといたしまして、本年1月からは、マイナンバーカードを用いてe─Taxへログインするだけで、申告等データの作成・送信が可能となる「マイナンバーカード方式」とe─Tax用のID・パスワードのみで国税庁ホームページからe─Taxによる送信が可能となる「ID・パスワード方式」を導入します。

 また、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーに、スマートフォン・タブレット端末に対応した「スマホ専用」の入力画面を導入します。

 そのほか、新たな納付手段としまして、本年1月からは、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナー等から出力が可能な「QRコードを利用したコンビニ納付」を利用していただけるようになります。

 このようにe─Taxや国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーをご利用いただくことで、申告会場等に出向くことなく、ご自宅などから申告・納税等が可能となりますので、今後もより多くの方々にご利用いただきますようお願い申し上げます。

新木  尾崎会長、納税協会会長として、税務行政に対する要望がありましたら、お願いします。
尾崎

先ほど、我が国経済・景気の拡大が続くと期待を述べましたが、一方で、我が国の財政は楽観できる状況ではありません。政府債務残高は、1000兆円以上に膨張し、対GDP比をみると世界の主要先進国の中でも最悪の水準となっています。社会保障や公共事業などの歳出を税収で賄えず、赤字国債の発行で負担を将来世代に先送りしています。本年10月には消費税率が引き上げられます。その増収分の使途は、財政再建化と社会保障の充実に4対1で振り分けられる想定でしたが、教育無償化等新たな施策への配分により、財政健全化のための配分は5分の4から2分の1へと減額されました。その分、財政健全化は遅れ、2020年度を目指していた国と地方の基礎的財政収支の黒字化は、2025年度に先送りされました。

 今後更に高齢化が進むことは確実であり、医療と介護等社会保障支出が持続的に増加する一方で、少子化の進行により、税や保険料で費用負担を支える現役世代の人口は減少の一途をたどります。歳出の抑制と歳入の拡大への取組は我が国にとって喫緊の課題であることは言うまでもありませんが、国民から徴収する税金が、日本の将来のために効果的に使われることもまた重要な課題であると認識しております。私どもが毎年発出している「税制改正要望書」に記載のとおり、政府には、問題を先送りすることなく、中長期的な展望を示した上で、「社会保障と税の一体改革」を確実に実行していただき、安定的かつ持続的な経済成長を可能とする財政健全化に取り組んでいただきたいと思います。また、企業の国際競争力や技術力を高め、経済・社会全体の活性化が図れるよう企業活動を後押ししていただく税制を期待します。

 その中で、大阪国税局様をはじめ、税務当局におかれましては、引き続き税務行政を「公平」かつ「適正」に運用していただき、税に対する納税者の理解と信頼を高めていただくようお願いいたします。
3 納税協会の活動について
新木

納税協会では、税に関する公益法人として、軽減税率制度に係る税法説明会や租税教室の開催など公益目的事業の推進に積極的に取り組んでおります。

 また、税の啓蒙活動や相談業務を通じて、地域に根ざした活動を展開しており、会員をはじめ納税者の方々に対しては、きめ細かな対応をすることで、より良いサービスの提供に努めています。次代を担う青年部会の活動にも力を入れており、納税協会連合会青年部会連絡協議会を中核として更なる活性化を図ることとしております。

 尾崎会長、新たな年を迎えて、納税協会及び連合会の今後の活動について、どのようにお考えでしょうか。

尾崎

納税協会は、税に関する健全な納税者の団体として、70年を超える歴史があります。会員の皆様のご尽力と大阪国税局様をはじめ関係各位の長年にわたるご協力に対しまして、改めて感謝申し上げます。

 設立から今日に至るまでの間に、社会・経済システムは大きく変化しましたが、各納税協会及び連合会は、設立当初から掲げる「適正な申告納税の推進と納税道義の高揚を図り、税務行政の円滑な執行に寄与し、企業及び地域社会の発展に貢献する」という基本理念にのっとり、活発な事業活動を続けてくることができました。

 例えば、私ども納税協会が従来から特に力を注いでいる活動の一つに青年部会の活性化があります。昨年11月21日に開催した「納税協会青年の集い」和歌山大会では、共通の活動テーマとして設定した「租税教育活動」の発表を行いました。従来の、講演会と異業種交流会というイベント要素に加えて、互いの活動内容を知ることで、青年部会全体の活性化につなげることができました。

 また、生徒・児童に対する租税教育の一環として、昨年の11月11日からの7日間「税を考える週間」において、キッザニア甲子園に税務署パビリオンを出展しました。プログラムでは、税務職員や税務広報官として、消費税調査と税務広報の仕事を体験してもらうとともに、税金クイズラリー等の企画を実施しました。これらの体験を通じて、より多くの子どもたちが楽しみながら税の必要性や使い道について学ぶ機会を提供できたとともに、租税教育の新たな手法として、納税協会が進める租税教育への取組姿勢や、納税協会そのもののPRにもつながったと考えております。本年も継続して取り組んでまいります。

 私ども納税協会といたしましては、税に関する公益法人として、関係団体との連携・協調を密に、社会環境の変化に対応した公益性の高い事業を展開してまいります。また、会員の皆様、並びに地域の方々のご意見・ご要望に真摯に耳を傾け、地に足の着いた活動を引き続き行ってまいりますので、引き続きご支援をお願いいたします。
新木  榎本局長、納税協会に対するご意見、ご提言等がございましたら、お聞かせください。
榎本

納税協会の皆様には、税知識の普及や適正な申告納税の推進及び納税道義の高揚を図る目的のため、長きにわたりご尽力いただいており、私どもにとりまして大変心強い存在であると感じております。

 納税協会におかれましては、各種の魅力ある活動を行っておられ、昨年11月の「税を考える週間」に合わせて企画されたキッザニア甲子園での「税務署パビリオン」は、私も拝見したのですが、仕事の体験を通して税について熱心に学んでいる子どもたちの姿が非常に印象に残っております。

 また、11月21日に参加させていただいた「納税協会青年の集い」和歌山大会において、「租税教育活動の発表」で紹介された取組は、各協会の工夫を凝らしたものばかりであり、青年部会の皆様の活動に対する熱い思いが伝わってまいりました。

 納税協会の部会の中でも青年部会は、研修会や講演会の開催などの各種事業活動に積極的に取り組まれているほか、青年部会の共通取組テーマを「租税教育活動」として、租税教室の開催などの租税教育に重点的に取り組んでいただいております。

 平成29年度の租税教室は、前年度から900回近く増加し、約4100回となりました。これも、青年部会をはじめとした納税協会の皆様からの多大なご協力をいただいた結果であると考えております。

 改めて納税協会の皆様のご協力に感謝申し上げますとともに、今後も納税協会の次代を担う青年部会が中心となって組織をけん引し、柔軟な発想で魅力ある事業活動に取り組まれることを期待しております。

 私どもとしましては、納税協会の皆様と、各種説明会や講演会といった事業活動を通じて、税務行政の良き理解者、良きパートナーとして、これまで以上により良い連携・協調関係を築いていきたいと考えておりますので、本年も引き続き、税務行政へのご支援・ご協力をお願いいたします。

4 雑感
新木

新春ですので、今年の抱負などをお聞きしたいと思います。局長は、今年はどのような年にしたいとお考えですか。

榎本  私どもとしましては、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という使命を果たしていくため、納税者サービスの充実に努めるとともに、適正な申告を行った納税者の皆様に不公平感を与えないよう、適正・公平な課税・徴収に努めてまいります。

 いよいよ、本年10月1日から、消費税率の引上げに合わせて、消費税の軽減税率制度が導入されます。

 さらに、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として、2023年10月1日からは、適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度が導入されます。

 この制度は、軽減税率の対象品目を取り扱う事業者はもとより、軽減税率の対象品目の売上げがない事業者等、多くの事業者の方に関係します。

 私どもとしましては、この制度が円滑に導入・定着するよう、説明会や研修会をはじめとした周知・広報に取り組むこととしておりますので、納税協会の皆様におかれましても、会員の皆様や一般の方々への周知・広報にご理解とご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

 今後も、納税協会の事業活動が一層活性化され、ますますのご発展を遂げる一年になることを期待しております。
新木  尾崎会長は、どのような年にしたいとお思いですか。
尾崎

昨年、2008年秋にリーマン・ショックをきっかけとした世界金融危機が発生してから10年が経ちました。各国が財政・金融政策を総動員したことにより、世界経済は長期にわたって回復基調が続いています。昨年は、米中貿易摩擦など海外情勢も見通しが不確実な中、日本では、堅調な企業収益のもと株高が続くなど、今年も更なる景気拡大を期待しております。

 深刻化する人手不足の背景には、確実に進む少子高齢化があります。これは我が国の喫緊の課題である一方で、課題先進国である日本にとってイノベーションを生み出すチャンスでもあると考えます。「人生100年時代」の社会では、病気を治す医療以上に、ウェルネス産業の更なる発展や技術革新が求められるでしょう。関西に集結する産官学の力を存分に発揮することで、世界とともに持続的に成長することができればと思います。

 2025年には大阪で万博を開催することが決まりました。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマを具体化することが社会課題の解決につながるものと期待しております。開催までの6年余りの間に、大阪・関西におけるイノベーション創出・ビジネス交流をより一層加速させ、未来社会に向け成長する姿を国内外に示していきたいと思います。

 私ども納税協会も、これからの日本社会を支える企業を、税務にかかわる側面からご支援することを通じて、関西ひいては日本経済の発展に貢献してまいりたいと存じます。

新木

本日はお忙しいところ、大変有意義なお話を伺うことができました。

 今年も、納税協会連合会は、納税協会とともに会員の皆様が加入して良かったと思っていただけるような、魅力ある事業活動ができるよう努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 本当にありがとうございました。

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