| 吉田 |
今日は新春の対談ということですので、関西経済、税、そして納税協会について、ざっくばらんにお話いただければと思います。
さて、我が国経済はここ数年、緩やかな回復基調を維持しており、その景気拡大期間は、戦後最大の「いざなぎ景気」を超えるほどまでになっています。しかしながら、国外情勢は、米国経済の不透明感、原油価格の高騰など、依然、予断を許さない厳しい状況が続いており、好調な経済に影を落とすのではないかという懸念材料もあります。
このような日本経済全体の動きの中での関西経済の現状と今後の展望について、お二人はどのようにご覧になっていますか。 |
| 野村 |
わが国全体の経済状況としましては、先ほど吉田副会長からもご指摘がありました通り、力強い景気回復を続けていると認識しております。低迷に苦しんだ90年代の、いわゆる"失われた10年"から、痛みを伴う血のにじむような努力によって企業が徐々に力強さを取り戻し、さらに好調な米国、アジア経済に支えられた輸出産業が牽引役となって、ようやく今回の長い景気回復が実現されました。
足元の関西経済についても同様で、概ね堅調に推移していると見ております。企業業績が好調さを維持しているほか、2006年の上半期には兵庫県の新規工場立地件数が全国で最多を記録するなど、設備投資計画の伸びでは全国を上回る勢いを見せており、関西経済がわが国経済を牽引している姿がうかがえます。加えて、設備投資や雇用情勢などの面で先行きに明るい見方が広がっている点などを考えますと、いよいよこれまでの「景気"回復"」から、さらに一歩進んだ「景気"拡大"局面」に入ったと言ってよいのではないでしょうか。 |
| 川北 |
関西経済は、この一両年堅調さを維持しており、景気の回復基調が続いてきました。
ちなみに、私どもが毎年発表している路線価でも、大阪・京都・神戸といった大都市での上昇が見られます。その要因等については様々な分析がされていますが、マンション建設の活発化に伴う住民の「都心回帰」に加え、商業ビルを中心に不動産投資家の関心も高まっており、大阪を中心とする関西経済の潜在能力を見直す流れが生まれているとも言われています。野村会長が言われた工場立地の「関西回帰」も、当地域の「底力」を示すものだと思います。
大阪国税局の税収も、過去に比べればまだ厳しい水準ながらも、回復傾向にあり、関西経済の回復を示しています。とりわけ好調な企業収益の伸びを反映して法人税収が伸びました。 |
| 野村 |
しかし、一方では、米国経済の減速や不安定な原油価格の動向、あるいは近隣諸国との外交課題など、先行きに対する様々な懸念材料も存在します。何よりも気がかりなのは、中堅・中小企業の業況感の回復が足元・先行きともに遅れがちな点です。わが国の経済は、なんと言っても全企業の9割以上を占める中堅・中小企業が基盤となって支えられております。
今回の景気回復を単に循環的なものにとどめることなく、息の長い安定的な成長軌道に乗せるためにも、中堅・中小企業への目配りを欠かすことのない慎重な経済・金融政策の舵取りが求められていると考えております。 |
| 川北 |
各地域の納税協会の皆様から地域経済の状況やそれぞれの事業の業況をお伺いしますと、最近は良くなってきたという声がある反面、良くなった実感が依然としてないという声もありました。「今回の景気回復に実感が伴わない。」ということは、新聞等でもとり上げられていました。
地域経済の活性化は、私どもにとっても大きな関心事です。先ごろ地域団体商標制度により「京人形」や「和歌山ラーメン」といった地域ブランドが商標登録されるという話がありましたが、京都をはじめとしてさすが関西の伝統の重みと申しましょうか、最初に登録査定を受けたと公表された52件中に近畿2府4県の地域ブランドは20件もありました。地域の伝統・特色というものを活かせる機会も少しずつ整いつつあるのかなと思います。
関西経済の今後の展望については、今、野村会長から力強いお話がありました。政府においても、「成長戦略」の検討が進められています。新しい年が、中堅・中小企業の経営、あるいは個人の生活レベルも含めて、景気回復の実感が広がる持続的・安定的な成長の年になってほしいものです。 |