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トピックス
新春座談会2003 輝く、関西、中小企業。
新時代の経営者が語る熱いメッセージ


【出席者】

領木新一郎
(財)納税協会連合会会長

北村嘉英
滋賀県青年部会連絡協議会会長
((社)草津納税協会 青年部会部会長)

中谷文隆
京都ブロック青年部会連絡協議会会長
((社)下京納税協会 青年部会部会長)

菊岡泰政
奈良県青年部会連絡協議会会長
((社)奈良納税協会 青年部部長)

中田高志
納税協会阪神青年部会連絡協議会会長
((社)尼崎納税協会 法人青年部会会長)

坂元宣之
淡路・播磨納税協会青年部会連絡協議会会長
((社)姫路納税協会 青年部会部会長)

槇野紘男
神戸市内青年部会連絡協議会副会長
((社)芦屋納税協会 青年部部長)

(敬称略、青年部会長は連絡協議会設立順)

【司会】
椋 活兼
(財)納税協会連合会常任副会長

◎関西経済の展望と飛躍の「鍵」
あけましておめでとうございます。本日は、新春の座談会ということで、領木会長そして青年部会の6名の方々にご出席いただき、経営のお話や納税協会、青年部会について、お話しいただきたいと思います。
 まずは領木会長に、新年のごあいさつに代えまして、お言葉をいただければと思います。2003年の関西経済の展望について、お願いします。
領木昨年の日本経済を振り返りますと、一時は回復することも期待されましたが、米国経済の減速の影響を受け、総じて厳しい1年であったと思います。とりわけ関西経済は、全国と比べて倒産件数が多く、失業率も高水準にあるなどより厳しい状況にあり、何とか関西の強みを活かして地域経済を活性化させることが喫緊の課題となっております。
 こうした厳しい状況の中、ノーベル化学賞を受賞された島津製作所の田中耕一さんのニュースは、43歳という若さと関西の企業ということで、大いに元気を与えてくれました。関西が潜在的に持っている高い技術力を、世界に評価されたことを大変嬉しく思います。
 これからの関西経済を考えますと、ノーベル賞級の優れた技術の他に、80万社を超えるといわれる中堅・中小企業のエネルギーと事業経営者の方から生み出される新たなイノベーションというものが、関西経済の未来を切り開いていく重要な「鍵」であると思います。
 また、今でこそ、「ベンチャー育成が大切」などと言われますが、実は関西は100年以上も前から多くのベンチャーや新しい商品を生み出してきたのです。こうした関西のポテンシャルは大変大きなものがあり、ひとえに「中堅・中小企業の経営者のやる気と情熱にかかっている」と申し上げても過言ではないかと思います。
 本日ご出席の皆さんのような新しい時代を担う事業経営者の独創性やバイタリティが十分に発揮されれば、関西経済はさらに飛躍するものと期待しています。

◎経営者に求められる3つの視点
関西経済の復活には中小企業の経営者に負うところが大きいというお話ですが、その経営者に求められるものとは、具体的に何でしょうか。
領木次の3つの視点が大切かと申せます。
 1つ目は、『コア・コンピタンスの確立』。これまでの産業構造は、大企業とその下請け的な中小企業という、「垂直分業型」が主流でした。しかし、IT革命の今、小さな会社でも世界中と取引が可能となり、それぞれの企業が自立した形での「水平分業型」システムへと移りつつあります。このような中で、中小企業がしっかりと自立していくためには、専門性を高めていくことが不可欠であり、『コア・コンピタンス』、すなわち時代のニーズにマッチした他社には真似のできない強みを確立することが何よりも大切であります。そういう自社の強みさえあれば、ビジネスの幅を広げていくことも可能となると思います。
 2つ目は、『経営のグローバル化』。最近はあらゆるものが国境を越えて駆けめぐるという時代になっていますから、経営のグローバル化という視点は非常に大事になります。これは、単に生産拠点や営業所を海外に移すのではなく、まず視野を世界に向けて、そして海外と国内のそれぞれの戦略を確立するということです。経営者の仕事の最も大切なことは、マネージメントよりも世の動きを常に見てそれをキャッチするということなのです。
 3つ目は、『ネットワークの構築』。中小企業は優れた技術を有していても、マーケティングや流通までを含めた総合的な経営力、いわゆる「市場全体を見渡す目」が少し欠けているといわれます。それを補うためにも、自社の業界だけではなく、他業種も含めて中小企業間のネットワークを構築すべきであると思います。また、そういうネットワークの中から、新しいアイデアや意外性のあるビジネスが創造される可能性が十分にあり、それが次世代イノベーションを生み出す原動力になるのです。
 そういう意味では、青年部会連絡協議会というのは、非常に適切な場であろうかと思います。青年部会の部会長でおられる皆さん方のリーダーシップによって、交流が深化し、新しい芽が生み出されればと考えております。

◎それぞれの地域・業界・企業の状況について
それでは、次に青年部会長の皆さん、まず、経営者として、地域、業界、会社の状況を中心に、今年1年、いかに取り組んでいくかということについてお話し願います。連絡協議会ができた順番に、滋賀、京都、奈良、阪神、播磨、神戸の順でお願いします。
北村近畿2府4県の中では、滋賀県は比較的元気のある県ではないだろうかと思います。産官学の連携がうまく進んでいて、技術開発や環境問題に対して、県民の意識が非常に高いと思います。
 わたくしどもの会社は、家電製品などの小型のモーターを製造しています。昨今のグローバル化の進展により、業界全体として、海外シフトを余儀なくされています。当社は、プラザ合意直後の1986年から海外展開をしており、東南アジア、中国を合わせて、5つの製造拠点を持っています。
 今年は、日本、中国、東南アジアと3極体制をしっかり確立していきたい。そして、情報化の時代にふさわしい、スピード感あふれる企業になりたいと思っています。
中谷わたくしは税理士ですが、皆さんと同じ納税義務者である事業者として、納税協会に参加させていただいています。
 わたくしどもの仕事は、最近、法律が目まぐるしく変わるため、非常に複雑になってきています。加えて広告規制の緩和、あるいは報酬規定の撤廃など、本当に自由競争の中に放り込まれたという状況です。
 近年は、非常に幅広い内容の仕事をクライアントから要求されますので、税理士はあらゆるニーズに応えられなければ顧客満足を得られません。特にここ数年は、商法と税法の大きな改編があり、他の士業や専門家との横のネットワークを密にし、力を入れていきたいと思っています。
菊岡奈良は観光都市ですが、近年の観光客の減少に伴って、観光収入が激減しています。ここ数年の高額納税者のリストを見ても、県内上位5件の税額は全国でもかなり低いレベルで、中小企業は皆、平均した条件の中で模索している状況だろうと思います。
 当社は漢方薬専門薬局です。わたしで24代目になる朝廷・幕府からの役職がありますが、商売を始めたのは幕末から明治維新にかけての頃となりますので、それから数えますと、わたしで5代目になります。
 薬の業界は、医療関係の流通が99パーセント、残りの1パーセントを全国数万件の薬局で小売販売をしている現状です。最近では漢方薬をどこでも扱うようになってきていますので、漢方薬専門という特色がなくなってきています。当社ではインターネットを通じての漢方相談、健康相談、通信販売等に取り組んでおり、こちらは順調に伸びています。
中田当社は不動産、建設をしています。いわゆる構造不況業種です。たいへん厳しい状況ですが、社会的要請は必ずある事業です。現在、社会基盤はほぼ整備されたわけですが、そういう中でも、新しい社会的要請を見つけ出していかなければなりません。たとえば、建設なら、新築ではなくリフォームやメンテナンスなど、建設におけるサービス事業を展開していく。住宅に関していえば、一戸建てが庶民の住宅として復権してきていますので、マンションから一戸建てにシフトしていくなどの取組みをしています。
 今年は、常に新しいモノに挑戦していきたいという心構えを持って、取り組んでいきたいと思っています。
坂元姫路には、新日鉄という巨大企業があり、関連企業が多数ありましたが、バブル崩壊以降、ガタッとくずれ、全体的に不況に陥ってきています。
 わたくしどもは、電気工事業、建設関連業界ですが、設備投資の抑制等をもろに受けて仕事が減り、その少ない仕事の中でしのぎを削っている現状です。公共工事も低価格で高品質なものが求められます。電気工事業界は、電力会社を中心として成り立っているのですが、その電力会社がいろんな規制緩和の影響で厳しい状況に立っています。
 こうした現状を打開するため、2001年、建設関連団体が集まり、連絡協議会を設けました。ここで行政と懇談会を開催し、意見交換を図っています。また、おたがい情報交換をしながら、共存共立で生きていく道を模索しています。
槇野わたくしは東灘の御影市場で蒲団屋をしています。最近は、ホームセンターなど従来蒲団を扱っていなかったところが扱いだして、個人の蒲団店というのはわたしのところを含めてもう東灘でも3軒くらいしかありません。
 神戸市内には約55の市場がありますが、その中で、活性化された市場は10ほどです。残りの40ほどは空き店舗がだんだん増えています。御影市場の空き店舗は、NPOに賃貸し、パソコン教室やコミュニティ図書館のようにして地域の方々にご利用いただいています。まだ、神戸全体で震災の影響が完全には払拭しきれていませんので、それも含めてこれからが本当にしんどいだろうなと思っています。
ありがとうございます。会長がおっしゃった経営の3つの点にすでに取り組んでおられるところもあり、まさに現在の関西企業の実態が浮き彫りになったような気がします。

◎納税協会の現状と展望
今、お話いただいたような状況の中で、納税協会が果たす役割はますます重要になってくると思いますが、領木会長、納税協会の現状と展望についてお願いします。
領木政府は今、構造改革を推進していますが、これからの日本経済が高度成長ではなく、成熟した経済社会を迎えるということを考えますと、税や財政が国民経済に与える影響が非常に大きくなるだろうと思います。さらに昨年ほど、税制のあり方について社会の関心を集めた年はなかったかと思いますが、納税協会も、納税者と税務当局をつなぐパイプ役として、その重要性はますます増してくるでありましょう。
 これからの納税協会は、税知識の普及や税制改正要望などを通じて会員の皆さまの声を税務当局へフィードバックすることはもちろん大切でありますが、より一層、会員の一助となる事業や地域に密着した活動も充実させていかなければならないと考えております。
 昨年10月には、新事業として『納税協会フォーラム』を開催しました。参加者の皆さまから、「パネリストの発言から、中小企業はどうあるべきか、何が必要か、幾つかのヒントを得ることができた」といった高い評価をいただきました。今後も、税制や経営など、会員の皆さまの関心の高いテーマを選んで、こうしたフォーラムを開催していきたいと思っています。
 最後に、納税協会の展望でございますが、組織も次第に高齢化してきていますので、やはり青年部会に事業活動の中心的な役割を担っていただき、次世代を担う後継者となっていただくことが肝要だと思います。83の納税協会のうち、現在、70以上の協会で青年部会が結成されていますが、連合会としても、青年部会の事業活動を全面的にバックアップしていきたいと考えております。

◎それぞれの青年部会、連絡協議会の取組みと展望
それでは、青年部会の皆さん、それぞれの青年部会あるいは連絡協議会の取組みと展望についてお願いします。
北村草津の青年部会は、現在51名で構成されており、勉強会や交流会、懇親会などをしています。青年部会のメンバーは、第一線で活躍している人が多いので、会合はできるだけ回数を抑え、中身の濃いものにしています。
 連絡協議会は、2001年の5月8日に発足し、勉強会、議論ができる場を提供しています。実は昨年、わたくしは連合会の税制要望審議会委員に選任いただきましたが、もっとわれわれ若い世代が将来の税制の在り方や税金の使われ方について、しっかりと考えなければならないと強く感じました。将来的には、連絡協議会で税制改正についての議論をぜひやってみたいと思っています。
中谷下京の青年部会は、講演会、意見交換会、企業見学会などを通じて、楽しくやっています。最近では、会員の増強について議論をしている最中です。
 連絡協議会は、2001年6月末に発足しましたが、各青年部会に温度差があり、まだ全体として積極的に事業ができている状態ではありません。まずは連絡協議会として単位会の活性化に取り組み、その上でブロックの活性化を目指したいと考えています。
菊岡奈良納税協会の青年部は、納税貯蓄組合連合会の青年部と一体的な運営をしています。青年部は現在130名程度。事業としては親会や税務署関連の事業で、ほぼ精一杯で、親会や青年部の総会の際に、青年部の企画で講師を招いて研修会などをしています。いつまでも親会の予備軍としての青年部というのではなく、存在意義を考えながら行動していきたいですね。
 連絡協議会は、昨年1月に設立しました。仲間が常に動ける体制にして情報交換を密にし、合同で事業を行うメリットを活かしていこうと考えています。また、青年会議所や商工会議所青年部、法人会の仲間とのネットワークも活かしていきたいと思っています。
中田尼崎納税協会の青年部会は、法人限定の組織になっています。昨年、ちょうど設立10年となりました。現在の会員数は、現役33名、OB18名です。
 活動は、年に3〜4回、研修会、講演会、社会見学会等を開催して、研鑽、交流をしています。最近では、他の青年部会との交流会も行っており、これまで東山納税協会青年部会、柏原納税協会法人青年部会との交流を実施しました。
 連絡協議会は昨年の1月に設立、活動としては、年に2回、講演会と懇親ゴルフコンペ、交流会を開催しています。人の輪が広がるということで、非常に大きな意義があると思っています。
坂元姫路納税協会の青年部会は、2000年3月に設立されました。活動としては交流会、会社見学会、意見交換会、ゴルフコンペ、講演会、勉強会などを行っています。これらの事業は連絡協議会をつくる前から、合同で各青年部会の持ち回りで行っていたものですが、今後も、そういった形で事業を行っていく予定です。
槇野芦屋納税協会の青年部は、毎年4月に芦屋川のほとりで行われる桜祭りに参加しており、納税協会のPRに努めています。また、日帰りの旅行や正月の餅つきなども企画しています。
 連絡協議会は昨年の10月に発足しました。異業種交流をして情報交換や意見交換をしていきたいと思っています。
ありがとうございました。活発な活動をされているところ、まだ準備段階のところなどいろいろありますが、肩に力を入れすぎず、じっくりと取り組んでほしいと思います。

◎青年部会への大きな期待と希望
最後に会長から青年部会に対して、何かメッセージがございましたら、お願いします。
領木青年部会長の皆さんは、向上心に満ち、また、高い志の下に社業や地域社会の発展に熱い情熱を注いでおられます。皆さんのような方々が青年部会を支えていただいていることは、誠に心強い限りであります。
 わが国は、既存の経済社会の構造がドラスティックに変わる、『変革の時代』に入っております。そして、60年になろうとする納税協会も、こうした時代の流れに沿った活動に転換していかなければなりません。これからの納税協会は、今後の税制のあり方について、最も利害関係を有する若い人達に積極的に議論していただける組織としていくことが重要でありますが、その中で青年部会の皆さんには、納税協会の次世代を担う『ニューリーダー』として、より魅力ある納税協会づくりの先導役を務めていただきたいと思っています。
ありがとうございました。最後に、わたくし司会をさせていただいた者としまして、少しお話をさせていただきます。
 税制改正に若い人たちの意見を、というお話がありました。毎年、納税協会では税制改正要望書を作成しておりますが、今年度は各ブロックの協会の役員さんに加わっていただいて要望書をまとめました。今後は、青年部会の人たちにも参加していただき、中身をさらに充実してまいりたいと思います。
 それから、単位会の青年部会と連絡協議会との関係について、青年部会の活動も単位会が中心であり、まずは単位会の青年部会の活性化、それが親会の後継者育成、あるいは幅広い連絡協議会の足場につながっていくのではないかなと思います。
 交流会のお話も出ましたが、83の納税協会の交流もさることながら、全国にある法人会や青申会とも交流をしていくことも大事だと思っています。連合会では、毎年、1つの連絡協議会を選ばせていただき、資金援助をさせていただいて、法人会との交流を行いたいと考えています。
 納税協会を取り巻く環境は非常に厳しいものがありますが、やはり、税は国の根幹をなす財源ですので、納税協会の存在はますます重要になってくると思っています。青年部会の皆さんには、ぜひ、納税協会活動の推進にご尽力いただきたいと思います。
 最後になりましたが、各納税協会あるいは青年部会のますますのご発展を祈願して、この新春座談会を終わらせていただきます。
 本日はたいへんありがとうございました。



(納税月報 2003年1月号より)