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新着情報

「着任インタビュー」を掲載しました。

2020.11.04

大阪国税局長 小原 昇氏
【小原 昇(おはらのぼる)氏の略歴】
和37年生まれ 滋賀県出身
昭和61年 大蔵省入省(大臣官房文書課)
平成4年 延岡税務署長
平成19年 東京国税局課税第一部長
平成21年 国税庁徴収部徴収課長
平成21年 国税庁調査査察部調査課長
平成22年 近畿財務局総務部長
平成24年 関東財務局総務部長

平成26年 九州財務局長

平成27年 仙台国税局長 

平成28年 国土交通省大臣官房審議官 

平成30年 福岡国税局長

令和元年 名古屋国税局長

令和2年 現職

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大阪国税局長 小原 昇氏
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【聞き手】
公益財団法人納税協会連合会
常任副会長
新木 敏克
〔令和2年9月3日収録〕


適正かつ公平な信頼される税務行政を行う
新木 ご着任おめでとうございます。最初に、大阪国税局長にご着任されての抱負をお聞かせください。

小原 まず、新型コロナウイルス感染症の影響や7月の集中豪雨により被害を受けられている納税者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 私は、昭和61年に旧大蔵省に入省し、これまで様々な分野で仕事を経験してまいりました。税務行政に関しましては、平成4年の宮崎県の延岡税務署長をはじめとして、財務省主税局、国税庁及び東京国税局で勤務させていただき、国税局長は平成27年の仙台国税局長、平成30年の福岡国税局長、昨年の名古屋国税局長に続き4度目であります。
 その中でも、大阪国税局は全国の国税局の中で東京国税局に次ぐ職員を抱え、国税組織の中核を成す非常に伝統のある組織であります。また、関西は私の生まれ育った地域で、人生の半分近くを過ごしてきた馴染み深い地域でもあります。
 その関西の税務行政を担っていく機会を得ましたことを大変光栄に思うと同時に、職責の重さに身の引き締まる思いであります。 経済活動の一層のグローバル化、ICT化の進展に加えて、新型 コロナウイルス感染症の対応など、税務行政を取り巻く環境は大きく変化し、新たな課題も抱えております。
 そのような状況においても、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という国税庁の使命を果たしていくため、不断の努力で「納税者サービスの充実」と「適正・公平な課税・徴収」に取り組んでいきたいと考えております。
 特に、「納税者サービスの充実」という観点からは、これまで、新型コロナウイルス感染症の対応として、申告・納付期限の延長や納税の猶予の特例などの手続について、様々な機会を通じた周知・広報や納税者のご相談への対応に適切に取り組んできたものと承知しております。
 今後も引き続き、国税庁・国税局の対応や取組について、ホームページ等を通じて、幅広く周知・広報を行っていくほか、納税者の皆様方が多く来署する所得税等の確定申告期間を含め、納税者の方々が不安に思うことなく、申告・納税手続等を行っていただけるよう、感染防止対策に努めるとともに、納税者の皆様の実情に十分に耳を傾けて、迅速かつ丁寧な対応に取り組んでいくことが重要と考えております。
 また、適正な申告を行った納税者が不公平感を抱かれることのないよう、悪質な納税者には厳正な姿勢で臨むなど、適正・公平な課税・徴収に努めるとともに、税務行政に対する納税者の皆様の理解と信頼が得られるよう、税の意義・必要性及び税務行政の取組についての広報や申告・納税に必要な情報提供、e‐TaxなどICTを活用した利便性の高い申告・納税手段の充実に取り組んでまいります。
 国民の皆様から負託を受け、信頼できる税務行政を行っていくためには、納税者の皆様方との信頼関係を築くことが重要であると考えていますが、私どものみの力では到底成し得ないことから、納税協会の皆様方のご理解とご協力を賜りたいと考えておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
新木 こちらこそよろしくお願いいたします。


◎自由な発想で変化に対応する関西企業が日本経済活性化のけん引役となることを期待

新木 関西の文化や歴史などについて、どのような印象をお持ちですか。
小原 関西は、文化遺産の宝庫であり、世界遺産を例に取ってみましても、滋賀と京都からなる古都京都の文化財をはじめ、関西一円にございます。
 また、令和2年6月19日に文化庁が認定した令和2年度の「日本遺産」では、全国21件のうち関西関連は6件が選ばれており、地方別で関西の認定が最も多くなっています。
 一方で、数多くの高層ビルが立ち並び、現在も大型の複合再開発が相次いで行われており、深い歴史と近代的な街並みが融合した、大変魅力的な地域であると感じております。
 今回、久しぶりに大阪勤務となったことを良い機会としまして、改めて関西の文化や歴史に直接触れてみたいと思っております。
新木 関西経済についてのご感想やご期待、あるいはご提言をお聞かせください。

小原 関西経済の印象としましては、伝統産業から最先端製品に至る幅広いものづくり産業、デザインやコンテンツなどのクリエイティブ産業、宿泊業や飲食サービスなどの各種サービス業まで多様な産業が集積しており、それぞれの地域が独自の魅力を持ち、多様な価値観を持った人々が集う関西は、新たなイノベーションが生まれるエリアとして、大きなポテンシャルを有していると感じております。
 しかしながら、現下の新型コロナウイルス感染症の拡大によって、社会経済活動が停滞し、内外経済に下押し圧力が増大しており、関西経済も同様に影響を受けています。
 今後の新型コロナウイルス感染症の拡大状況が見通せないところではありますが、令和3年にワールドマスターズゲームズ、令和7年に大阪・関西万博の開催が予定されており、関西経済への波及効果が見込まれるビッグイベントなど明るい材料もありますので、関西経済の活性化に期待したいと思います。
新木 私どもの「納税月報」の「メーカー探訪」や「めざせ!オンリーワン」には、独自技術や適応力のある企業にたくさん登場していいただいています。また、関西には100年以上続いている企業がたくさんあり、中には1,000年を超える企業もあります。
小原 これまで培ってきたノウハウや古き良き伝統といったものを大切にして、次世代の後継者に伝えていくと同時に、自由な発想やオリジナリティー等を発揮して、変化に柔軟に対応していくという関西の気風といったものが、このように独自技術を創造する企業、長い年月にわたって続く企業を多く生み出しているのではないかと考えております。
 経済活動のグローバル化が進んでいる中で、このような企業が、関西の経済だけでなく、日本経済のけん引役として活躍されることを期待しております。
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◎我が国の財政について
新木 我が国の財政について、現状を簡単にご説明いただくとともに、今後の展望をお聞かせください。
小原 令和2年度の国の一般会計第2次補正後予算の歳出総額は、160兆2607億円となっております。
 一般会計予算における歳入のうち税収は、前年度当初予算に比べ1兆180億円増の63兆5130億円を見込んでおります。
 また、公債発行額は90兆1589億円、公債残高は累増の一途をたどり、令和2年度末には約964兆円に上り、一般会計税収の約15年分に相当すると見込まれております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、令和2年度一般会計第2次補正後予算の公債依存度につきましては、前年の35・4%から56・3%に跳ね上がっており、リーマンショック後の平成21年度の水準を上回り、過去最高となっています。
 国税庁におきましても、このような厳しい財政状況の下、限られた人員、予算の制約の中で、「適正・公平な課税・徴収の実現」を図るため、これまで以上に効果的かつ効率的な税務行政の運営に取り組んでいかなければならないと考えております。

◎デジタル化の推進等でスマート税務行政を目指す
新木 次に、税務行政の当面の課題と運営方針をお聞かせください。
小原  税務行政を取り巻く環境は、経済取引の複雑化・広域化や経済社会のICT化・グローバル化の急速な進展に伴い、業務が複雑化・困難化するなど大きく変化しております。
 そういった状況の中で、平成29年6月に国税庁において、中長期的に目指すべき将来像を明らかにし、その実現に向けて着実に取り組んでいくことが重要との考えの下、「税務行政の将来像」が公表され、令和元年6月には、これまでの間に実現又は具体化した取組や今後の課題を改めて整理した上で、「『税務行政の将来像』に関する最近の取組状況~スマート税務行政の実現に向けて~」が公表されたところです。
 国税庁は、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本柱として、スマート税務行政を目指すこととしております。
 具体的には、ICTやマイナンバーなどの活用によるデジタル化を推進し、納税者の利便性の向上を進めていくこととしております。
 また、課税・徴収事務を効率化・高度化するとともに、税務署の内部事務の集中処理などを通じた業務改革を進め、こうした取組により創出したマンパワーを活用し、重点課題である「国際的租税回避への対応」、「富裕層に対する適正課税の確保」及び「大口・悪質事案への対応」に的確に取り組んでいくこととしております。
 このほか、新型コロナウイルス感染症対応という新しい課題も抱えております。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、期限までに申告・納付等ができないやむを得ない理由がある場合には、期限の延長について柔軟に対応することとしているほか、国税の納付の特例猶予等について、事業者等からの問合せや相談を待つだけではなく、あらゆるチャネルを通じて切れ目ない周知・広報を実施するとともに、申請や審査の手続を極力簡素化し、申請者の方の置かれた事情に配意して迅速かつ柔軟な対応を行ってまいりました。
 この特例猶予については、引き続き、必要な方が早期に猶予を受けられるように努めてまいりますので、納税協会の皆様におかれましても、なお一層のご協力をよろしくお願いいたします。

新木 これまでの経験を踏まえ、特に力を入れたいと思っておられることはございますか。
小原 国税庁では、経済社会のデジタル化が一段と進展する中、納税者が簡便・正確に手続を行うことができるよう利便性を高めるとともに、社会全体のコスト削減や企業の生産性向上を図る観点から、e‐Taxの一層の普及及び添付書類も含めた電子化などのICTを活用した利便性の高い申告・納付手段の充実に取り組んでおります。
 特に、令和2年10月からの年末調整手続、令和3年1月からの所得税の確定申告手続について、生命保険料控除証明書などのデータをマイナポータル経由で一括入手し、各種申告書への自動入力ができる仕組みの準備が進められております。
 マイナポータルの活用により、年末調整手続については、従業員及び勤務先の双方の負担が軽減され、所得税の確定申告手続については、これまで以上に簡便にe‐Tax送信が可能となりますので、ICTやマイナンバーの活用によるデジタル化を推進し、納税者の利便性の向上を進めていくこととしています。
 また、「課税・徴収の効率化・高度化」の実現に向けては、情報の一元化を図りながら、データを積極的に活用できるシステム及び組織作りを進めていくこととしています。
 国税庁が保有する情報に加えて、インターネットや他の行政機関からの情報収集などにより、保有する情報を充実させていくとともに、これらの電子データを、ICTツールを活用して多角的に分析・検討することにより、申告内容の自動チェックや調査必要度・資力判定の精緻化など、調査事務や滞納整理事務の効率化・高度化を図ることができると考えています。
 このような取組を通じて、「国際的租税回避への対応」、「富裕層に対する適正課税の確保」及び「大口・悪質事案への対応」といった重点課題に的確に取り組んでまいります。
 そして、これらの取組を推進していくことにより、スマート税務行政の2本柱である「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」の実現に努めてまいりたいと思っております。

◎魅力ある事業を活発に展開し、税知識の普及や地域社会への貢献を期待
新木 納税協会は、税に関する公益法人として、租税教室の開催などに積極的に取り組むほか、次代を担う青年部会の活性化に力を注いでいます。 今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、様々な活動が延期や中止となっていますが、その中でもできる限りの活動を続け、新型コロナウイルス感染症対策に係る税制上の措置などの周知・広報にも取り組んでいます。納税協会へのご注文、ご期待などがありましたら、お聞かせください。
小原  納税協会は、個人・法人を問わず、加入することができる全国に例のない組織として、税知識の普及、適正な申告納税の推進及び納税道義の高揚を図るという目的のため日々ご尽力いただいており、私どもにとりましても大変心強い存在となっております。
 また、納税協会の部会の中でも、次代を担う青年部会は、積極的に事業活動を行っていただいており、組織の活性化に取り組んでおられると聞いております。
 特に、青年部会の共通の活動テーマとして力を入れて取り組んでおられる租税教育活動については、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う学校の一斉休業の期間を含むにもかかわらず、令和元年度の租税教室への講師派遣人数が対前年比129名増(115・6%)と大幅に増加するなど、租税教育の充実に大きく貢献しておられます。
 さらに、各納税協会におかれましては、令和元年10月1日から導入された消費税軽減税率制度につきまして、我々と緊密に連携し、説明会の開催をはじめとして周知・広報にも積極的に取り組んでいただいた結果、消費税軽減税率制度実施後の初めての確定申告となりましたが、概ね円滑に行っていただくことができたと考えており、感謝申し上げます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、様々な活動が延期や中止となるなど、制約された状況下においても、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置などの周知・広報に積極的に取り組んでいただいております。
 私どもといたしましても、納税協会の皆様とは様々な事業活動を通じ、税務行政の良き理解者、良きパートナーとして、これまで以上により良い連携・協調関係を築いていきたいと考えております。
 今後も魅力ある事業を活発に展開され、地域社会での納税協会の存在意義を高めるとともに、より一層、企業経営及び地域社会の発展に貢献されますことを期待しております。
 今後とも、引き続きご理解とお力添えをよろしくお願いいたします。

新木 こちらこそ、よろしくお願いいたします。

◎相手の立場に立って考える 

新木 仕事におけるモットー、座右の銘などについてお聞かせください。

小原 モットーとか、座右の銘というものは特にありませんが、想像力を働かせて相手の立場に立って物事を考えていくことが大切だと思っています。
新木 それでは、最後に、余暇の過ごし方、趣味などについてお聞かせください。
小原 趣味というほどのことはないですが、強いて言えば読書とお答えしているところです。
 また、名古屋国税局勤務の時から、競技プログラムをはじめていますが、決して出来はよくありません。
新木 お体にお気を付けていただきまして、ご活躍されますことを、納税協会の会員の皆様とともに祈っております。

本日は、お忙しいところ、ありがとうございました。


(納税月報 2020年11月号より)

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