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これからの関西 関西経済、税、納税協会の未来

2018.01.10

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大阪国税局長
橋本元秀
公益財団法人納税協会連合会会長
尾崎 裕

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【司会】
公益財団法人納税協会連合会
常任副会長
辻 誠一

(敬称略)

1 関西経済の展望

 今日は、新春の対談ということですので、関西経済、税、そして、これからの納税協会について、ざっくばらんにお話しいただければと思います。

 さて、我が国経済は、米国の自国第一主義政策、北朝鮮問題、英国のEU離脱問題などの不安定要因が多く厳しい状況が続いていますが、人手不足が続く中での雇用・所得環境の改善などを背景に、景気回復基調にあります。関西経済も同様に、雇用・所得環境等の改善を受けて、緩やかな景気回復傾向にあるようです。

 まずは尾崎会長、このような関西経済の現状と今後の展望について、どのようにお考えでしょうか。

尾崎  日本そして関西の景気・経済は、世界経済の回復を背景に、昨年後半にかけて、株価が順調な伸びを見せるなど、着実に回復してきました。個人消費の伸びは緩やかですが、今年は更に伸びる余地があると期待しております。

 関西経済にとって明るい話題は、まずは訪日外客数の着実な増加です。2015年に関西のインバウンド消費が歴史的な拡大を記録してから、現在その伸びは減速したものの、インバウンド需要は今や関西経済の成長を支える大きな柱の一つになっております。今後も訪日外国人を継続して確保するためには、「コト消費」の流れに目を向け、名所旧跡を訪れるといった従来型の観光旅行のみならず、例えば食やものづくり体験、さらには健康・スポーツ・エンターテイメントなどの分野で、外国人観光客を惹きつける魅力的なツーリズムの展開が重要になってまいります。

 また、2019年ラグビーワールドカップを皮切りに、ここ日本・関西において国際的なスポーツイベントが続きます。そして、現在、2025年万国博覧会の大阪・関西での開催を目指し、官民挙げて誘致活動に取り組んでおります。このような国際的なイベントを契機に、関西経済が持続的に成長するためにも、関西が強みを持つライフサイエンス分野やスポーツ・健康分野と他分野とを掛け合わせた新たなビジネスや、最先端技術分野での次世代ものづくり・サービスの創出が求められています。関西には、数多くの大学・研究機関・企業が集結しています。幅広い分野において、産官学の垣根を越えたイノベーションを生み出せる風土を活かし、今年は関西から日本経済を盛り上げる年にしていきたいと思います。
橋本局長は、関西経済について、どのようにご覧になっていますか。
橋本  関西の経済状況については、近畿財務局が発表しております、昨年10月の管内経済情勢報告において「緩やかに回復している」とされております。

 また、昨年秋に国土交通省から発表された基準地価におきましては、商業地における都道府県別の対前年平均上昇率で、京都府が全国1位となり、大阪府が全国2位となるなど、関西経済も回復基調にあると感じております。

 さらに、近畿2府4県の国税収納済額で見ますと、平成28年度は約9兆円で、前年度に比べ約1666億円(前年比+1・9%)増加し、5年連続の増加となっておりますので、税収面からも関西経済が回復基調にあることがうかがえるのではないかと思います。

 私個人の見解ではありますが、このように明るい話題が増えてきている中で、今後、本格的に景気が回復し、我が国の経済が更に発展していくためには、やはり、関西経済の発展が必要不可欠であると思っております。

 関西は、伝統的に自由闊達で創造性に富み、新しい物事に取り組むという進取的な人達が集まっている地域であると感じており、世界に通用する高い技術力を有するなど、ポテンシャルの高い企業も数多く存在しております。

 そのような企業がけん引役となって、関西経済が盛り上がっていくこと、さらには関西を起点として日本経済の活性化につながっていくことを期待しております。

2 社会経済情勢の変化と税務行政の対応
 ありがとうございます。次に税務行政について、局長にお伺いいたします。我が国の経済社会の状況は、経済のグローバル化、情報技術の発展、人口減少や少子高齢化、地域格差の拡大などの大きな構造変化の中にあります。

 このような状況の中において、変化する社会経済情勢への対応を常に求められる税の執行官庁として、どのような施策・取組をされておられるのでしょうか。

橋本  近年、ICTやAIが著しく進展するとともに、経済取引のグローバル化や資産取引の多様化が進み、調査・徴収事務は困難化しています。

 また、厳しい行財政事情により国税職員の定員が減少傾向にある一方で、所得税申告件数や法人数は増加しています。

 このような環境の変化を踏まえ、国税庁では、昨年6月に「税務行政の将来像」を公表し、中長期的に目指すべき将来像について国税当局として考えていることを明らかにしました。

 具体的には、ICTやAIなどを活用して、納税者の利便性向上を図るとともに、課税や徴収事務を効率化・高度化して、事務運営の最適化を進めることにより、納税者の信頼を確保する一方で、国際的租税回避への対応といった重点課題への的確な取組を通じて、適正・公平な課税・徴収の実現を図ることとしています。

 また、いわゆる「パナマ文書」の公開やBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの進展などにより、国際的な租税回避行為に対して、国民の関心が大きく高まっています。

 国税庁では、国際課税への取組を重要な課題と位置付け、国際課税の取組の現状と今後の方向を取りまとめた「国際戦略トータルプラン」を公表しました。

 その中では、情報リソースや調査マンパワーの充実、グローバルネットワークの強化を推進し、富裕層や海外取引のある企業による海外への資産隠しのほか、国外で設立した法人や各国の税制・租税条約の違いを利用して税負担を軽減する等の国際的な租税回避行為に対して、適切に対応することとしています。

 大阪国税局でも、国税庁の方針にのっとり、局署一体となって、これらの取組に厳正・的確に対応していくこととしています。

 ところで、間もなく確定申告期を迎えますが、国税庁では、納税者の皆様が税務署に出向かなくても申告書が提出できるよう、e─Taxや、国税庁HP上の「確定申告書等作成コーナー」の利便性向上に努めています。

 具体的には、マイナンバーカードとカードリーダライタがあれば、パソコンで作成した申告書をオンラインで提出できますし、パソコンがない方でも、タブレットやスマートフォンなどから国税庁HPにアクセスしていただければ、「確定申告書等作成コーナー」で簡単に申告書を作成していただくこともできます。タブレット等で作成した申告書は、コンビニ等でプリントアウトして、郵送等により税務署へ提出していただけます。国税庁HPの「確定申告書等作成コーナー」は、必要な情報や入力項目等を探しやすい画面レイアウトになっていますので、是非ご利用いただきたいと思います。

 また、税務署での申告相談については、前年同様、申告会場の開設日を「2月16日」、相談受付時間を「16時まで」ということで統一しています。大阪・京都・神戸市内の一部の税務署においては、納税者の皆様の利便を考えて、合同会場を開設することとしています。合同会場の具体的な場所等については、大阪国税局のHPでご案内していますので、ご覧いただきたいと思います。

 なお、自宅等で作成された還付申告については、2月15日以前であっても、郵送等により税務署へ提出していただくことは可能ですので、可能な限りオンラインか、郵送での申告書提出をお勧めします。

 また、昨年1月から、税務関係書類には、マイナンバーや法人番号を記載することとされています。所得税の申告書等には、マイナンバーの記載とともに、本人確認書類の提示又は写しの添付が必要です。

 昨年、マイナンバーの記載や本人確認書類の提示等をして申告書等を提出していただいた方であっても、今年も同様の手続が必要ですので、ご注意ください。

 最後になりますが、来年10月1日から、消費税率の引上げと同時に、消費税の「軽減税率制度」が実施されます。軽減税率制度は、軽減税率対象品目を取り扱う事業者だけでなく、全ての事業者の方に関係する制度となっています。

 大阪国税局としても、この制度が円滑に導入・定着されるよう、説明会や研修会を実施するなどの周知・広報に取り組むこととしていますので、納税協会におかれましても、会員の皆様や一般の方々への周知・広報にご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願いします。

 尾崎会長、納税協会会長として、税務行政に対する要望がありましたら、お願いします。
尾崎  先ほど、我が国の経済は、回復基調が続いていると述べましたが、一方で、我が国の財政は厳しい状況が続いております。政府債務残高は、世界の主要国の中でも突出して高く、社会保障や公共事業などの歳出を税収で賄えず、赤字国債の発行で負担を将来に先送りしています。今後更に高齢化が進むことは確実なため、医療と介護等社会保障支出は持続的に増加する一方で、税や保険料で費用負担を支える現役世代の人口は、少子化の進行で減っていきます。歳出の抑制と歳入の拡大への取組は我が国にとって喫緊の課題であり、私どもが毎年発出している「税制改正要望書」に記載のとおり、政府には、問題を先送りすることなく、中長期的な展望を示した上で、「社会保障と税の一体改革」を着実に実行していただき、安定的かつ持続的な経済成長を可能とする財政健全化に取り組んでいただきたいと思います。また、消費増税など税制改正に当たっては、基本原則である「公平・中立・簡素」にのっとり、企業の国際競争力、技術力を高めるとともに経済全般の活性化が図れる税制を構築いただきたいと存じます。その中で、大阪国税局様をはじめ、税務当局におかれましては、納税者の理解と信頼を高めるためにも、引き続き税務行政の「公平」かつ「適正」な運用をお願いいたします。
3 納税協会の活動について
 納税協会では、税に関する公益法人として、e─Tax利用推進運動、税法説明会や租税教室の開催など公益目的事業の推進に積極的に取り組んでおります。

 また、税の啓蒙活動や相談業務を通じて、地域に根ざした活動を展開しており、会員をはじめ納税者の方々に対しては、きめ細かな対応をすることで、より良いサービスの提供に努めています。次代を担う青年部会の活動にも力を入れており、納税協会連合会青年部会連絡協議会を中核として更なる活性化を図ることとしております。

 尾崎会長、新たな年を迎えて、納税協会及び連合会の今後の活動について、どのようにお考えでしょうか。

尾崎  納税協会は、税に関する健全な納税者の団体として、70年を超える歴史があります。会員の皆様のご尽力と大阪国税局様をはじめ関係各位の長年にわたるご協力に対しまして、改めて感謝申し上げます。

 設立から今日に至るまでの間に、社会・経済システムは大きく変化しましたが、各納税協会及び連合会は、設立当初から掲げる「適正な申告納税の推進と納税道義の高揚を図り、税務行政の円滑な執行に寄与し、企業及び地域社会の発展に貢献する」という基本理念にのっとり、活発な事業活動を続けてくることができました。

 例えば、私ども納税協会が従来から特に力を注いでいる活動の一つに青年部会の活性化がございます。平成20年11月26日に和歌山大会から始まった納税協会の「青年の集い」は、平成29年11月29日に開催した「青年の集い」阪神大会をもって、10ある全てのブロックの青年部会連絡協議会の主管を一巡しました。この活動が、各青連協・各納税協会青年部会の発展や活動にとって、より効果的なものになるように、二巡目の「青年の集い」では、納税協会青年部会として共通の活動テーマとして設定した「租税教育活動」について発表するということを考えております。これまでの講演会・異業種交流会というイベント要素に加えて、互いの活動内容を知ることで、青年部会全体の活性化につなげたいと思います。

 また、生徒・児童に対する租税教育の一環として、今年の11月11日からの7日間「税を考える週間」において、キッザニア甲子園に租税教育パビリオンを出展します。プログラムとしては、税務職員や税務広報官としての仕事体験や税金クイズラリー等を企画しており、これらを通じて、子どもたちに税について学ぶ機会を提供することが狙いです。租税教育の新たな手法として、納税協会が進める租税教育への取組姿勢や、納税協会そのもののPRにもつながればと考えております。

 私ども納税協会といたしましては、税に関する公益法人として、関係団体との連携・協調を密に、社会環境の変化に対応した公益性の高い事業を展開してまいります。また、会員の皆様、並びに地域の方々のご意見・ご要望に真摯に耳を傾け、地に足の着いた活動を引き続き行ってまいりますので、引き続きご支援をお願いいたします。
 橋本局長、納税協会に対するご意見、ご提言等がございましたら、お聞かせください。
藤田  納税協会は、法人・個人を問わず、様々な業種の納税者の方が加入されている団体であり、長い歴史の中で、堅固な組織を確立し、積極的な事業活動を展開されております。

 特に、納税協会の部会の中でも青年部会は、協会活動の中核となって、各種研修会や講演会の開催など、積極的に取り組んでおられます。

 先日の「青年の集い」阪神大会に私も参加させていただきましたが、大変活気に満ちた大会であり、青年部会の皆様の地域社会の発展に対する熱い思いが伝わってまいりました。

 今後も、納税協会の次代を担う青年部会が中心となって、柔軟な発想で魅力ある事業活動に取り組まれ、組織をけん引していかれることを期待しております。

 また、私どもは、将来の納税者に対する教育の一環として、租税教育に取り組んでおり、小学生から高校生を対象とした租税教室を開催しております。

 この取組には、納税協会の皆様からも多大なご協力をいただき、平成28年度に租税教室を約3200回開催することができました。改めて感謝申し上げます。

 特に、青年部会の皆様が自ら講師となった租税教室については、受講者側から親近感があり理解しやすいと大変好評であり、私どもといたしましても、意義のあるすばらしい取組であると感じております。

 これは、青年部会の共通取組テーマを「租税教育活動」として、重点的に取り組んでいただいた結果であると考えております。

 しかしながら、租税教室の開催回数や開催学校数は、全国と比較すると決して進んでいるわけではないため、更なる開催に向けて、皆様のご協力をいただきながら、引き続き、取組を充実させていきたいと考えております。

 納税協会の皆様とは、今後とも、より良い連携・協調関係を築いていきたいと考えておりますので、本年も引き続き、税務行政へのご支援・ご協力をお願いするとともに、今後とも、魅力ある事業活動を活発に展開され、企業経営及び地域社会の発展に貢献されますことを期待しております。

4 雑感

新春ですので、今年の抱負などをお聞きしたいと思います。局長は、今年はどのような年にしたいとお考えですか。

藤田  私どもの使命は、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」ことであり、この使命を果たすために、納税者サービスの充実に取り組むとともに、悪質な納税者や滞納者に対しては、組織的に厳正な態度で臨んでいくことで、国民の皆様から信頼される税務行政の推進に努めていきたいと考えております。

 さて、今年の干支は「戌(いぬ)」ですが、「戌」の字は、一印に戈(ほこ)を加えた会意文字で、刃物で作物を刈って収穫する、という意味があるそうです。

 納税協会が取り組まれてきた活動が実を結び、より多くの方々に税知識が普及し、納税道義の高揚が図られるなど、収穫の多い年となりますよう、そして、納税協会の事業活動がより一層活性化され、ますますご発展を遂げる一年になることを期待しております。

 尾崎会長は、どのような年にしたいとお思いですか。
尾崎

昨年は、北朝鮮問題等、海外情勢が不安定な中、日本では、10月の衆議員選挙の結果、第4次安倍内閣がスタートし安定した政権運営が続いております。経済においても、株高が続くなど追い風が吹いており、今年も更なる景気回復の伸びを期待しております。

一方で、現在深刻化している人手不足をはじめ、少子高齢化が進む我が国には課題が山積みです。しかし、見方を変えれば、こういった状況はイノベーションを生み出すチャンスと捉えることができるのではないでしょうか。これまでも、私たちは、課題に直面する度に、新たな産業・技術・ビジネスをいくつも生みだし、今日の社会をつくってまいりました。ここ関西に集積する産官学の力を結集し、相互に連携して知恵を出しあい、汗をかけば、そうした向かい風を自分たちの追い風に変えることができると確信しております。私ども納税協会としましても、日本社会を支える企業を、税務にかかわる側面からご支援することを通じて、関西ひいては日本経済の発展に貢献してまいりたいと存じます。

本日はお忙しいところ、大変有意義なお話を伺うことができました。

今年も、納税協会連合会は、納税協会とともに会員の皆様が加入して良かったと思っていただけるような、魅力ある事業活動ができるよう努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

本当にありがとうございました。

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