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関西経済、税、納税協会のこれから 新年の展望を語る

2017.01.10

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大阪国税局長
藤田 博一
公益財団法人納税協会連合会会長
尾崎 裕

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【司会】
公益財団法人納税協会連合会
常任副会長
辻 誠一

(敬称略)

1 関西経済の展望
 今日は、新春の対談ということですので、関西経済、税、そして、これからの納税協会について、ざっくばらんにお話しいただければと思います。
 さて、我が国経済は、昨年発生した熊本地震や、円高・株安、中国経済の減速・英国のEU離脱問題などの不安定要因が多く厳しい状況が続いていますが、雇用・所得環境の改善や公共投資の底堅い動きなどを背景に、緩やかな回復基調にあります。関西経済も同様に、雇用・所得環境等の改善を受けて、景気回復傾向にあるようです。
 まずは尾崎会長、このような関西経済の現状と今後の展望について、どのようにお考えでしょうか。
尾崎  昨年来、世界の主要国の経済がそろって低成長局面に入ったとの観測もある中、我が国及び関西経済は底堅さを保ってはいますが、なかなか浮揚してこないという実感を持っています。
 その中で、今や関西が日本全体をけん引しているインバウンド関連の経済活動は、世界経済の動揺で円高が進む不利な状況にもかかわらず順調で、中国・アジアからの旅客数は今なお増加傾向にあります。
 また、外国人の訪日目的や消費行動が、多様になってきていることも良い傾向です。流行語になった「爆買い」が落ち着きを見せる一方、訪日客の購買対象が、高額品から化粧品・菓子など高頻度に消費される日用品に移り、体験型消費も増加しています。今後は、その多様なニーズに応えるきめ細やかなサービス提供を通じて、ファンを作りリピーターを確保することも重要になるでしょう。
 更に今後、関西経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、新たな成長分野も見出す必要があります。2020年前後の国家的なスポーツイベントの開催を契機に、関西が強みを持つライフサイエンス分野とスポーツ・健康分野を包摂する裾野の広い産業振興に力を注ぎ、IoTやAIといった最先端技術分野での次世代ものづくりや新しいサービスの開発にも目配りしなければなりません。
 関西には、豊富な観光資源のほか、学術・研究機関・企業が多く立地しており、幅広い分野で、次なるイノベーションを促進する土壌があります。今年はいよいよ、関西が真価を発揮する年になると期待しています。
 藤田局長は、関西経済について、どのようにご覧になっていますか。
藤田  近畿財務局が発表しております、昨年10月の管内経済情勢報告によりますと、関西経済は、緩やかに回復しつつあるとされております。
 経済情勢をリアルタイムに表しているものではありませんが、昨年秋に国土交通省から発表された基準地価におきましては、商業地における都道府県別の地価変動率で大阪府が2年連続で全国1位となるなど、関西経済も回復基調にあると感じております。
 さらに、近畿2府4県の国税収納済額で見ますと、平成27年度は8・9兆円で、前年度に比べ約6441億円(前年比+7・8%)増加し、3年連続の増加となっておりますので、税収面からも関西経済は、緩やかな回復基調にあることがうかがえるのではないかと思います。
 私個人としての見解ではありますが、このような状況の中で、今後、本格的に景気が回復し、我が国の経済が力強く発展していくためには、やはり、関西経済の発展が不可欠であると思っております。
 私は、兵庫県の出身でありますが、関西には、世界に通用する卓越した独自の技術を有する企業が数多く存在しており、そういった高い技術力や斬新なアイデアなど、関西企業の持つポテンシャルは、非常に高いものがあると思います。
 今後とも、その高いポテンシャルを余すことなく発揮し、様々なイノベーションを創出していただくことで、関西経済から日本経済全体を盛り上げていくことを期待しております。
2 社会経済情勢の変化と税務行政の対応
 ありがとうございます。次に税務行政について、局長にお伺いいたします。我が国の経済社会の状況は、経済のグローバル化、情報技術の発展、人口減少や少子高齢化、地域格差の拡大などの大きな構造変化の中にあります。
 このような状況の中において、変化する社会経済情勢への対応を常に求められる税の執行官庁として、どのような施策・取組をされておられるのでしょうか。
藤田  近年は、個人投資家の海外投資や企業の海外取引が増加するなど、経済社会の国際化が急速に進展しております。
 このような中、いわゆる「パナマ文書」の公開などにより、富裕層や海外取引のある企業による海外への資産隠しのほか、各国の税制の違いなどを利用して税負担を軽減する国際的な租税回避行為に対して、国民の関心が大きく高まっている状況にあります。
 国税庁では、国際課税への取組を重要な課題と位置付けており、昨年10月に、今後の取組方針を示した「国際戦略トータルプラン」を公表したところであります。
 これは、情報収集・活用の強化、国際課税に関する調査を専門的に行う部署など専門体制の整備・拡充、外国当局との協調などが柱となっております。
 我々としましては、これらの取組を通じて把握した悪質な納税者や滞納者に対しまして、様々な角度から情報の収集・分析を行い、組織力を最大限に活かした厳正な調査・徴収を実施していきたいと考えております。
 さて、間もなく確定申告期を迎えることとなりますが、昨年までは、税務署が開設する申告会場の開設日や相談受付時間について、管内税務署で日時を統一していなかったことから、納税者の皆様にとって分かりにくい部分があったのではないかと思われます。
 このため、今年の確定申告からは、申告会場の開設日を「2月16日」、相談受付時間を「午後4時まで」に統一することとしております。
 2月15日以前は、税務署の申告会場を開設しておりませんので、この時期にご来署いただいても、十分に対応することができず、ご迷惑をお掛けすることになりますし、また、2月16日以降であっても、午後4時以降、相談の受付は終了しております。申告相談が必要な方は、是非、2月16日以降のなるべく早い時間帯にお越しいただきますようお願いします。
 また、納税者の皆様の利便を考えて、大阪・京都・神戸市内の一部の税務署におきましては、合同会場を開設することとしております。会場の設置場所などについては、大阪国税局のHPでご案内しておりますので、ご覧いただきたいと思います。
 ところで、毎年この時期は、多くの方が申告相談のために来署され、申告会場は大変混雑いたします。
 このため、国税庁では、納税者の皆様に、申告会場までお越しいただかなくても済むように、ご自宅のパソコンやタブレット端末等での申告書の作成をお勧めしています。
 具体的には、パソコンやタブレット端末等をお持ちの方は、国税庁HP上の「確定申告書等作成コーナー」で、ご自身で簡単に申告書を作成できますし、パソコンで作成した申告書であれば、マイナンバーカードとカードリーダライタをご用意いただくことで、e─Taxによりオンラインで簡単に提出ができます。
 また、マイナンバーカードなどをお持ちでない方は、作成した申告書をプリントアウトして、所轄の税務署に郵送していただけます。
 さらに、プリンタをお持ちでない方は、コンビニエンスストア等でプリントサービスを利用してプリントアウトすることも可能となっておりますので、納税者の皆様には、是非ともe─Taxや「確定申告書等作成コーナー」をご利用いただきますようお願い申し上げます。
 尾崎会長、納税協会会長として、税務行政に対する要望がありましたら、お願いします。
尾崎  先ほど、関西経済に対する期待を申し上げましたが、一方で、環境は決して楽観できる状況ではありません。特に、我が国の膨大な政府債務残高は、今後の社会経済の枠組みを大きく揺るがすリスクをはらんでいると言えます。このことが国民の将来不安を増幅し、消費に力強さが戻らない遠因にもなっているのではないでしょうか。我が国が、今後も持続的な経済成長を遂げるためには、私どもが毎年提出している「税制改正要望」にも記載しておりますとおり、財政再建の道筋を明確に示すことが不可欠です。
 政府は昨年、28兆円規模の「未来への投資を実現する経済対策」を打ち出しました。経済政策によって税収増を図ることは重要ですが、税制の見直しや財政支出の削減など痛みを伴う負担配分の議論も避けてはいけないと思います。政府には、中長期的な視野に立った「社会保障と税の一体改革」を確実に進めていただきたいと思います。
 その際、税制には、経済・社会が活力を維持できるような仕組みが実現されることを期待します。グローバル経済の下、「税」は国家の枠組みを超えた企業誘致の有効な手段であり、国内でも東京一極集中の弊害を軽減する地方創生にもつながるものと思います。さらに、政府が掲げる女性が活躍する社会の実現にも、税制面での支援が必要でしょう。その中で、大阪国税局様をはじめ、税務当局におかれましては、引き続き税務行政を「公平」かつ「適正」に運用していただき、税に対する納税者の理解と信頼を高めていただきたいと存じます。
3 納税協会の活動について
 納税協会では、税の啓蒙活動や相談業務を通じて、地域に根ざした活動を展開しており、会員をはじめ納税者の方々に対しては、きめ細かな対応をすることで、より良いサービスの提供に努めています。次代を担う青年部会の活動にも力を入れており、納税協会連合会青年部会連絡協議会を中核として更なる活性化を図ることとしております。
 また、昨年、納税協会連合会は創立70周年を迎え、税に関する公益法人として、e─Tax利用推進運動、租税教育、マイナンバー制度の周知・広報など公益目的事業の推進にも今まで以上に積極的に取り組むこととしています。
 尾崎会長、新たな年を迎えて、納税協会及び連合会の今後の活動について、どのようにお考えでしょうか。
尾崎  納税協会連合会設立71年目の新たな年を迎え、会員の皆様のひとかたならぬご尽力と、大阪国税局様をはじめ関係各位の多年にわたるご協力に対しまして、改めて感謝申し上げます。
 設立から70年という長い歳月の間に、社会・経済のシステムは大きく様変わりいたしましたが、各地納税協会及び連合会は、設立当初から掲げる「適正な申告納税の推進と納税道義の高揚を図り、税務行政の円滑な執行に寄与し、企業及び地域社会の発展に貢献する」という基本理念にのっとり、今日まで地道な活動を積み重ねてくることができました。
 例えば、私ども納税協会連合会は、毎年8月に、大阪国税局様・近畿税理士会様・近畿納税貯蓄組合総連合会様と「租税教育セミナー」を共同開催しており、各地納税協会では、青年部会員等が講師となって租税教室を積極的に開催しております。正しい税の理解を通じて、次代を担う児童・生徒に社会の一員としての意識を高めていく活動の重要性は、我が国のような成熟社会において、ますます高まってまいります。
 一方、私ども納税協会が継続的に取り組んでいる「e─Taxの利用推進運動」をはじめとするICTの活用を促進する活動は、昨年1月から利用が開始された「マイナンバー制度」への対応を経て、今後、加速度的に税務手続きの合理化へと結実していくのではないかと期待しています。引き続き、「マイナンバー制度」への理解が進み、制度が適切に運用されるよう、積極的な周知・広報活動に取り組んでまいります。
 私ども納税協会といたしましては、税に関する公益法人として、関係団体との連携・協調を密に、社会環境の変化に対応した公益性の高い事業を展開してまいります。また、会員の皆様、並びに地域の方々のご意見・ご要望に真摯に耳を傾け、地に足の着いた活動を行ってまいりますので、本年も、引き続きご支援・ご協力をお願いいたします。
 藤田局長、納税協会に対するご意見、ご提言等がございましたら、お聞かせください。
藤田  納税協会は、税知識の普及や適正な申告納税の推進を図るという目的を掲げられ、日々ご尽力いただいており、私どもにとりましても、大変心強い存在であると感じております。
 特に、納税協会の部会の中でも、青年部会は、各種研修会や講演会の開催など、活発に事業活動を行っておられます。
 昨年11月に行われた「青年の集い北近畿大会」には私も参加させていただき、多くの方々とお話しさせていただきました。皆様の企業や地域社会の発展に対する並々ならぬ熱意を感じ、大変心強く感じた次第です。
 納税協会の次代を担う青年部会におかれましては、今後も、柔軟な発想で魅力ある事業活動に取り組まれ、組織をけん引していかれることを期待しております。
 また、私どもは、将来の納税者に対する教育の一環として、租税教育に取り組んでおり、教育委員会や学校等と連携して、小学校から高校生を対象とした租税教室を開催しております。
 この取組には、納税協会の皆様からも多大なご協力をいただき、平成27年度に租税教室を約2900回開催することができました。皆様の積極的なご協力に感謝申し上げます。
 しかしながら、開催回数や開催学校数は年々増加していますが、全国と比較すると、決して進んでいるわけではなく、更なる開催に向けて、引き続き、取組を充実させていく必要があるものと考えておりますので、納税協会におかれましても、これまでにも増してご協力をいただきますようお願い申し上げます。
 私どもとしましては、今後とも、納税協会の皆様とは、より良い連携・協調関係を築いていきたいと考えておりますので、納税協会の皆様におかれましては、本年もより一層のご支援・ご協力をお願いするとともに、今後とも、公益社団法人として、公益性の高い事業活動を活発に展開され、地域社会の発展に貢献されますことを期待しております
4 雑感
 新春ですので、今年の抱負などをお聞きしたいと思います。局長は、今年はどのような年にしたいとお考えですか。 1701-新春対談写真(全体).jpg
藤田  大阪国税局長に着任した際にも申し上げましたが、納税者の皆様が自発的に正しい申告・納税を行えるよう、利便性の高い申告・納税手段を提供するなど納税者サービスの充実に取り組むことと、真面目に適正な申告を行っていただいている納税者に不公平感を与えないよう、悪質な納税者に対しては、厳正に対処することで、国民の皆様から信頼される税務行政の円滑な推進に努めていきたいと考えております。
 また、「社会保障・税番号制度」については、本年1月以降、申告書などへの番号記載が本格化しております。例えば、所得税の申告書は、平成28年分の確定申告書から番号を記載し、提出していただくこととなりますので、個人の方の多くは、本年の確定申告期に、初めてマイナンバーを利用することとなります。
 なお、マイナンバーを記載した申告書等を書面により提出いただく際には、税務署において本人確認を行いますので、申告に当たりまして、マイナンバーカードなど本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となります。本人確認書類の詳細などにつきましては、国税庁ホームページに掲載しておりますので、そちらをご確認ください。
 尾崎会長からもお話がありましたが、私どもとしましても、今後も国民の皆様に、制度をより深く理解していただけるよう、昨年に引き続き、積極的な周知・広報に努めていきたいと考えています。
 さて、今年の干支は「酉(とり)」ですが、「とり」は、「とりこむ」につながり、商売・事業には大変縁起の良い干支だそうです。
 納税協会の事業活動もより一層活性化され、ますますのご発展を遂げる意義のある一年になることを期待しております。
 尾崎会長は、どのような年にしたいとお思いですか。
尾崎  昨年は、6月に行われた英国のEU離脱国民投票が、そして何と言っても11月の米国大統領選挙が、国際社会に与えた大きな驚きとともに結末を迎えました。近年、これらに象徴されるような、政治的な内向き志向が強まっていると感じられます。世界経済の先行きに不透明感が強まったことで、国境を越えた自由な人や物の移動を通じて発展を図ってきた既存のグローバルシステムに対する信頼が揺らいでいると思われます。
 こうした中、今年は、日本がどう役割を果たしていくのかが問われる年になると思います。とりわけ関西は、昨今のインバウンドの活況以前より、中小ものづくり企業などの集積を強みに、アジアをはじめとする世界に開かれたポジションを生かし、世界有数の経済圏としての地位を維持してきました。引き続き関西が、国家戦略特区等を生かしたビジネスの舞台としての魅力を高め、ポテンシャルの高い分野における産業創発を加速し、世界からの投資を呼び込んで、世界とともに持続的に成長することができればと思います。
 私ども納税協会も、そうした動きを主導する民間企業を税務に関わる面から支援することを通じ、関西ひいては日本経済の活力向上に貢献してまいりたいと思います。
 本日はお忙しいところ、大変有意義なお話を伺うことができました。
 今年も、納税協会連合会は、納税協会とともに会員の皆様が加入して良かったと思っていただけるような、魅力ある事業活動ができるよう努力してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本当にありがとうございました。

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